ラカイ県の
エイズ問題の背景

ラカイ県のエイズ問題の背景

ラカイ県は、ウガンダの首都カンパラから南西約200キロに位置しています。 東にビクトリア湖、南にタンザニアがあり、人口は約47万人(2002年の国勢調査より)、面積は4973㎡です。ウガンダはアフリカのエイズの発祥地と言われていますが、ウガンダ国内の中でもこのラカイ県で初めてエイズの症例が見つかりました。

ウガンダ全土でエイズによって親を失った子どもは、100万人以上いると言われていますが、約5万から7万人の遺児がこのラカイ県にいます。

このラカイ県は、1982年にエイズが最初に見つかって莫大的な感染で問題になった地区です。内陸国ウガンダのラカイ県は、タンザニアとの国境に接し、幹線道路が貫通しているため、タンザニアやケニアからやって来るトラックがここを通過、このトラックドライバー相手の売春が発生し、道路沿いのHIV感染が社会問題となっています。

アフリカの国境では、国境施設の職員による賄賂の要求など不正の温床にもなりやすく、7日以上もトラックが止め置かれることがあるのです。

またラカイ県の田舎は、首都カンパラから約200キロ以上も離れていることや、その間の道路が未舗装であることも重なり、政府の行政的関わりが薄く、エイズ対策を含めた医療面における不備は隣県と比べても遅れています。

基本的な保健サービスにアクセスしにくいことも重なって、国内のエイズ感染率が平均約7%である一方、ラカイ県の国境近くは感染率が12%近くに達していることが分かっています。(Monitor,2012)。

子どもだけで住む家

親を失った子どもたちは、祖父母、親戚や知人の家に引き取られることが多く、国内の全世帯の約4分の1がこうした遺児の面倒を見ています。ところが、このラカイ県では、両親も親戚も死んでしまったことで、子どもだけで住んでいる家や、年老いた祖父母と暮らす家が多数あります。

子どもだけで生活する家は、もともとの家や畑が両親の死による葬儀費用で売り払われてしまったケースが多く、簡易的なバナナファイバーや泥などで作られた家に住んでいます。また、そうした家も作ることが出来なかった場合は、外のバナナ畑で身を寄せて生活する子どももいる状況です。遺児たちは、それぞれが遠く離れた場所で生活しており、ひどい場合は子どもが誰にも看取られずに死んでしまうこともあります。